スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展

2018/6/23(土)〜7/16(月・祝)

印稿:宮崎 駿 題字:鈴木敏夫 写真:山本彩乃 ©TS

スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展 2018/6/23(土)〜7/16(月・祝)印稿:宮崎 駿 題字:鈴木敏夫 写真:山本彩乃 ©TS

宮さんは絵を描き、僕は字を書く。 宮さんは絵を描き、僕は字を書く。

撮影:白鳥真太郎

鈴木敏夫 鈴木敏夫

手書きの書から紐解く、スタジオジブリ鈴木敏夫の軌跡 手書きの書から紐解く、スタジオジブリ鈴木敏夫の軌跡

スタジオジブリ作品には力強いメッセージが込められています。その作品の世界観をより多くの人に伝えるため、監督の意図を理解して作品と真摯に向き合うことで、その本質を読み取り、「言葉」にして伝えてきたのがプロデューサーの鈴木敏夫です。
高畑勲、宮崎駿と出会って40年。「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」、そして「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」まで。ジブリはどこから始まりどこへ向かうのか。その秘密に迫ります。

鈴木 敏夫 TOSHIO SUZUKI 鈴木 敏夫 TOSHIO SUZUKI

1948年、名古屋市生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、徳間書店入社。『週刊アサヒ芸能』を経て、『アニメージュ』の創刊に参加。副編集長、編集長を務めるかたわら、「風の谷のナウシカ」「火垂るの墓」「となりのトトロ」などの高畑勲・宮崎駿作品の製作に関わる。
1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。
以後ほぼすべての劇場作品のプロデュース。現在、株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。
著書に『仕事道楽 新版 スタジオジブリの現場』(岩波新書)『ジブリの哲学―変わるものと変わらないもの―』(岩波書店)『風に吹かれて』(中央公論新社)『ジブリの仲間たち』(新潮新書)『ジブリの文学』(岩波書店)『人生は単なる空騒ぎー言葉の魔法―』(KADOKAWA)などがある。

名古屋の元宮で生まれた。 名古屋の元宮で生まれた。

1948年に名古屋市の昭和区元宮町で生まれた鈴木は、東区の赤萩町を経て東大曽根に引っ越します。その頃住んでいた家は、既製服の製造販売の仕事をしていた父親の仕事場を兼ねた一軒家。ここで小学6年生までを過ごした後、中学校から大学で上京するまでは北区の黒川で過ごしました。
小学校時代によく遊んだ場所は徳川園。当時は、まだ無料で開放されていた広い敷地で、鈴木は仲間たちと、拾った釘で十字手裏剣を作って投げたり、手作りの刀でチャンバラごっこをしたり、木の上にはアジトを作って武器をしまい込んだりして、活発に遊んでいました。

一方、絵を描くのも好きで、度々コンクールに入選しては、松坂屋百貨店の階段に設置された展示場に掲出されています。また、仕事場となっていた自宅の二階には、父親が毎月買ってくれていた漫画雑誌がたくさん置いてあったことから、漫画は幼いころから身近な存在でした。
映画への親しみも、この幼少期からはじまっています。邦画好きの父、洋画好きの母に手を引かれて毎週のように映画館に通い、小学3年生になると一人で50円玉を握りしめて映画館に通い詰めるようになっていました。

東海中学・高校にすすみ、体操部に所属。当時、オリンピックで金メダルを取れるのは体操だけだ、と言われていた時代です。
そして、名古屋生まれの鈴木が今も愛してやまないのが、中日ドラゴンズ。シーズン中は、1回も欠かすことなく試合をチェック、翌朝の「東京中日スポーツ」を熟読する毎日です。
鈴木敏夫が、のちに高畑勲・宮崎駿と出会い、趣味や教養を共有しながら同じ方向をむいて映画作りに邁進していく基盤が、名古屋で暮らした幼少期から培われていたのは間違いありません。

展示内容 展示内容

展示では、ジブリ作品の資料とともに、鈴木の手書きによる題字、キャッチコピー、キャラクターデザイン、いたずら書き、また、幼少期の制作物から最近の映画寸評、筆による書き下ろしまで、鈴木敏夫の多岐にわたる仕事を一挙ご紹介します。

風立ちぬ
©2013 Studio Ghibli・NDHDMTK

また、本展覧会では、アニメーション雑誌『アニメージュ』の仕事にも焦点を当てています。
大学卒業後、徳間書店に入社した鈴木は、『週刊アサヒ芸能』に配属され、記者としての腕を磨きました。その後1978年に、アニメーション雑誌のパイオニア・月刊『アニメージュ』の創刊に奔走。準備期間はわずか2週間でした。その編集者時代に高畑勲・宮崎駿両監督と出会い、その後、同誌で『風の谷のナウシカ』を連載、映画化をも成しとげました。
会場では、鈴木の少年時代からアニメージュ編集長の頃まで、いわばスタジオジブリの原点ともいえる時代の雰囲気も再現。鈴木が編集長を務めた時代の『アニメージュ』を閲覧できる他、影響を受けた文学、漫画、映画、人々を紹介します。

月刊『アニメージュ』1983年11月号の表紙
月刊『アニメージュ』1983年11月号の表紙

その他、宮崎駿が手がけた幻の短編アニメーション『ユキの太陽』のパイロットフィルムの限定上映、「千と千尋の神隠し」湯屋の精密模型、鈴木敏夫の頭の中をイメージしたドームなど、多彩な展示もみどころです。

「千と千尋の神隠し」湯屋の精密模型
©2001 Studio Ghibli・NDDTM